2018.10.02
絶望を招く顔貌の変化
バセドウ病を発症してから顔貌の変化が重度であると
日常生活が送りづらくなってしまいます。
びっくりしたような、人を睨みつけるような顔貌になってしまうため
他人の視線を集めてしまうことがご本人には辛くなってしまいます。
このため外出を控えるようになり
以前のような日常生活を送ることが出来なくなってしまいます。
最近遠方からオペツアーでいらした方がいます。
その方は顔貌の変化が重度であったため
辛くて買い物に出るのもご家族と一緒でなくてはならず
本当に困ってらっしゃったようです。
眼窩減圧手術を行った翌日の診察で涙ながらに感謝をしていただくことができました。
その方曰く、「つらかったので人生終わりにしようとすら考えていた。そのような状態を救ってもらってとても感謝している」
と言っていただきました。
我々の仕事はただ何ミリ眼が出たからそれを何ミリに治すというものだけではありません。
患者さんが何人来たとか、何件手術をしたとか、いくら売り上げたとか、様々な指標がありますが何よりも大事なことは、当院に来ていただく患者さんたちが、できるだけ幸せになって帰ってもらうことだと思っています。
特にバセドウ病は若い年代の女性に起こることが多いためより苦しみが大きいと感じます。
病気によって美人度が下がってしまった状態を手術などの治療を駆使して以前と同じような顔貌に戻せたときは我々もとても嬉しく感じます。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
2018.09.30
左右非対称の眼球突出
バセドウ病眼症では、眼球が突出しますが、これは左右非対称に起こることがあります。
左右非対称な眼球突出は、両側の眼球突出よりもさらに顔貌の異変が起こります。
また片側のみの上眼瞼後退も左右非対称の原因となります。
我々は可能な限り、左右対称の目になるように心掛けた手術を行っています。
脂肪の切除であれば、切除した脂肪をシリンジに入れることでその量を計測することが出来ます。
しかし骨の切除の場合、どれだけ眼球陥凹をきたすかを計測することは出来ません。
削った骨は水と一緒に捨てられてしまうからです。
また内壁や下壁のように眼窩内容をスペースに逃がす場合にも、どれだけ容積の移動があるかはわからないため、ミリ単位での調節は困難です。
当院では、経験上からも文献からもどの程度の眼窩脂肪を切除するとどの程度眼球陥凹が得られるか分かっているため、左右非対称な目の状態をミリ単位で調整する努力をしています。
また上眼瞼についても同様に上眼瞼を上げる筋肉の働きが眼瞼に伝わる経路を考えて手術を行っています。ミリ単位の微調整は難しいことが多いのですが、この課題に現在取り組んでいるところです。
可能な限り、左右対称な顔貌にするように努力しています。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
http://www.oc-tokyo.com/
2018.09.30
バセドウ病眼症の画像診断
バセドウ病の画像診断、よく撮影するものにCTとMRIがあります。
CTは放射線を使って断面を見る検査。
MRIは磁気を使って断面を見る検査になります。
CTは骨の状態をみることが得意で、MRIは内部の柔らかい組織を見ることが得意です。
CTは放射線被曝がありますが、撮影は5分くらいで終了します。音も静かです。
MRIは放射線被曝がありませんが、撮影は30分くらいかかりますし、音もうるさいです。
それぞれに利点・欠点がありますが、バセドウ病眼症の活動性を見るためには、組織の炎症を見ること出来るMRIが適切です。
眼窩減圧を行う場合には、骨の位置や厚さを見ることが出来るCTが適切です。
それぞれ目的によって撮影するものが異なります。
MRIで診断できるのは、筋肉の腫れと炎症の程度ですが、脂肪の炎症の程度を知ることは出来ません。つまり画像診断と言っても、万能ではなく限界がありますのでこれには留意が必要です。
当院の近くにはCT、MRIの画像専門クリニックが数多くありますので、初めて受診の際には事前に予約していただいてから、CDROMに焼いて持って来ていただくということを行っております。
受診して急遽CTやMRIが必要になった場合にも、すぐに撮ってもらえることが多いのでとても便利です。
点滴も手術も、患者さんの負担が少ない方法が良いと思い、そのような方法を提供しています。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
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2018.09.27
マグネット義眼台の摘出+
新しい義眼台の挿入術
眼球摘出
外傷などで眼球が破裂した場合に、眼球摘出を行う場合があります。
最近は眼球の一番外の白い膜(強膜)を残すことが多いのですが、一昔前には眼球摘出を行っていたことが多かったようです。
眼球がないままだと眼球が陥凹するため、義眼を大きくしないといけません。
義眼が大きくなると重力やその体積のせいで下眼瞼ごと下方にずれてしまいます。
これを防止するために眼球摘出後に眼球の代わりになるもの(義眼台)を入れるのですが、異物に対して体は拒否反応を示し、出来るだけ外部に出そうとするのです。
もともとの眼球には目を動かす筋肉(外眼筋)がついていますが、眼球摘出後にはこれらの筋肉の役割はありません。
マグネット義眼台の摘出
30年くらい前にはマグネットを含有した義眼台を挿入することがあったようなのですが、数十年経過し画像診断技術が発達した現代ではMRIが非侵襲的検査として重要な役割を担っています。脳ドックなどでよく使われています。
ところがマグネットの義眼台が入っているとMRIは撮ることが出来ません。
CTで代用となると毎回放射線被曝することになりますし、そもそも大事な情報をとることが出来ません。
OFC東京の開業から義眼台摘出希望の方がすでに複数名いらっしゃいました。
当院ではマグネット義眼台の摘出手術を行っていますので、同様のことでお悩みの場合にはお気軽にご相談ください。。
また手術動画についてもアップしていますので、ご興味のある方はご参考になさってください。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
経歴
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
医院名
新前橋 かしま眼科形成外科クリニック
住所
群馬県前橋市古市町180−1
電話番号
027-288-0224
公式サイト
こちらから
2018.09.25
留学で分かった日本の素晴らしいところ
前回は米国についての勘違いについて書きました。
今回は留学して改めて感じた日本の素晴らしいところについて書きたいと思います。
日本の素晴らしいところは、なにをとっても食事のおいしさではないでしょうか。
LAでも日系スーパーがあるので日本の食材が手に入ります。
まだ獺祭が手に入りづらかった当時、日系スーパーに山のように獺祭が売っていたことにビックリしました。
お刺身なんかも買えるんです。惣菜コーナーにはお寿司も売ってます。
でもお刺身、空輸で日本もしくはハワイから来たものなので、生食は可能ですが鮮度はイマイチでした。
日本と米国西海岸。同じ太平洋に面したロケーションであるので、魚はいっぱい取れるはず。
でもおそらく取り方と管理の仕方の問題で、お刺身に適する魚にならないのでしょう。
取れているはずの魚の刺身を日本から空輸する状態、すごく不思議に思いました。
6-8月の風物詩である枝豆は、僕の大好物です。
枝豆って、生と冷凍で全然味が違いますよね。
米国でもEdamameとして有名なのですが、剥いた枝豆が冷凍食品として大きなパックに入っているものしか売っていません。あれだけ大量に売っているのだから生の枝豆はないかと探し歩きましたが、どこにも売っていませんでした。
留学終了後に日本に帰ってきて生の枝豆を食べて、とてもうれしかったです。
そして最も日本が素晴らしいと感じるもの。
それはフルーツのおいしさです。
米国にもフルーツはあります。
むしろ大量に売っています。
ただ、モモにしてもスイカにしてもメロンにしても甘さが足りないのです。
日本に帰ってきて、甘さが倍くらい違うことに驚きました。
その点で考えると、世界中を学会で回ってますが、日本ほどフルーツがおいしいところはないように感じます。
日本のフルーツ、海外の人たちに是非一度食べてもらいたいです。
徐々においしいことが認知され、そのうち大きな輸出品になるような気がしています。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
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2018.09.23
留学で分かった米国への勘違い
日本にいると、米国の情報がいろいろと入ってきます。
大統領選挙がどうなっているとか、メジャーリーグで活躍する日本人が評価されているとか。米国では日本の製品は素晴らしいと思われているとか、和食ブームだとか。
そして日本人から見た、米国人のイメージがあると思います。
そして米国人は味がわからず、とにかく量しか見ていないとか。
大量消費社会で、モノを大事にしないとか。
でも、自分が実際に現地で生活してみると、実際には日本のことを米国人はほとんど気にしていません。何千キロも離れた島国ですから、日本と韓国と中国の差もわかっていないような方がいます。(びっくりしました)
ニューヨークからしたら世界の反対側ですからね。仕方ないのかもしれません。
プエルトリコとキューバの位置関係が分からないのは、僕だけでは無いはずです。
なんとなく思ったのは、日本人が台湾やフィリピンを考えるときの感覚と似ているのではないかと思いました。親しみは覚えるけど、そこまで知らない。その程度だと思います。
日本の3倍の人口、4倍の経済、30倍の国土を持つ米国ですから、当然だと思っています。
米国に行って日本との違いに驚いたことの一つにスーパーマーケットに並べられている食材がとても良かったことが挙げられます。とくに野菜は品種も量も素晴らしいと思いました。
とくに僕にはルッコラのパックがよかったです。
ポテトチップスの大容量パックくらいある袋にパンパンにルッコラが入って3ドルくらいなんですよ。
それを買ってきて、パルミジャーノかけて、オリーブオイルと塩、コショウ、バルサミコ酢をかけて食べるのがとても好きでした。
ワインも大体10ドル前後出せば、ハウスワインとしてはかなり良いものとされるおいしいワインが手に入ります。日本で飲むワインでいうと2500円くらいの味が半額で飲めるというのは素晴らしいですね。
日本で売っているルッコラは、ほんの数本入って200円とかですよね。ルッコラサラダ作るとなると、いくらかかるんだか。。。。。
米国行く前は、米国人はみんなマックのハンバーガー食べてて、味に無頓着なのかな?と思っていました。そういうイメージある人も多いと思います。
留学して最初のころに、米国人からマックのハンバーガーはまずいし健康的ではないから食べるなと言われました。 あれ?そうなの?(笑)
そして米国人の行列ができるようなハンバーガーレストランのハンバーガーに行ったら、このおいしいこと。
日本では決して食べられる味ではありません。とても美味しかったのですが、カロリーが高いのか、翌日までずっとお腹いっぱいでした。
米国のステーキは質より量でしょ、とも思われているかもしれません。
味のない、固い肉を食べている、と。
しかし向こうで経験したステーキは、赤身のとても柔らかくてマグロの刺身のような味の濃さのあるものです。
正直、日本の霜降りの脂っこい和牛よりもずっと美味しいと思います。
こういうことに代表されますが、マックのハンバーガーが味の分からない米国の料理の代表格のように思っているととんでもない勘違いをすることになりかねません。
自分の経験した米国は、とても美味しいものばかりでした。
僕の人生で一番おいしかったウニは銀座ではなく、LAのオイスターバーで食べたものです。
ミョウバンの入っていない、捌きたてのウニは、日本ではほぼ食べることが出来ません。
なお、LAではウニはSea urchinではなくUniとして認知されています。
そして米国では大量消費社会でモノを大事にしない、というイメージありませんか?
でも、僕は逆に日本人のほうがモノを大事にしていないのではと感じました。
日本人は新しいものが好きで、中古品のお値段って安いし、そもそも買わない人も多いです。
家は新築がよいし、家具ももちろんピカピカの新品がよいですね。
だから中古のものの値段が低いです。
米国では中古の市場もそれなりの市民権を得ています。
中古の住宅もそれなりの値段で売られています。
ロスから日本に戻るときに要らなくなった家具を道路に置いておいたら、1時間くらいで、ものの見事に全て無くなっていました。
他人が使った家具でも、みんな持って行って使うんです。
日本だったら粗大ごみ置き場からもって帰ったりしないです。
欧米の都市って石造りですから、建て直しが難しいので古い建物がそのまま残っています。
日本の建物は古くなったら建て替えしますよね??
日本人のほうが新しいもの好きで、実は古いものを捨てて新しいものを好むんだ、と理解したときに、僕らは先入観で判断してはいけないんだなと思いました。みんな米国に対して大きな勘違いをしているかもしれません。
次は日本の素晴らしさを書きたいと思います。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
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2018.09.17
当クリニックの経営信条
なんらかの組織を率いていく時に、多人数のスタッフが同じ方向を見られるように、経営方針を作ることが一般的であろうと思います。
当院でも創業当初から掲げている経営信条があります。
今回はそのお話をしたいと思います。
日本と米国で暮らした経験から、日本人の特徴が分かっています。
日本では、耐えることが美徳とされます。
なので、楽しんでいる、ということを表出するよりも
つらいことを我慢している、ということのほうが周囲からの受けがいいというのが実情だと思います。
それは患者さんも、スタッフも同じです。
苦しんでいるといわなければいけない環境。
楽しく仕事をすることが許されない社会。
個人的には、全然好きではありません。
患者さんたちは、病気や手術に対する不安を抱えながら受診します。
基本的に幸せな状態では来院しないのです。
だからこそ、帰るときには幸せな気持ちでお帰りいただきたいと思います。
当院で働く若い人たちにも、楽しんで人生を過ごしてほしいと思っています。
苦しんでいるのが当然の社会であってほしくないのです。
もちろん個々人の努力があるという前提ですが、、、、
当院の経営信条は3項目です。
1. 患者さんを幸せにする
2. 患者さんが幸せになることを通して自分が幸せになる
3. 自分が幸せになることを通して社会を幸せにする。
だれかが100%の幸せを求めると、その周囲の人は100%の幸せになることは難しいと思いますが
みんなが協力して80%くらい幸せになることは出来るように思います。
全員がそれなりに幸せな社会、それを目指して行きたいと思っています。
2018.09.16
顔面神経麻痺へのヒアルロン酸注射
顔面神経麻痺では顔面の非対称性が出現します。
顔貌の非対称性があると、表情が作れなくなるため、外出しづらくなるなどの生活の質の変化が起こります。
脳腫瘍に対する手術治療で、顔面神経の完全断裂があると完全な麻痺になり、手術が適応になりますが、ベル麻痺など突如発症したタイプの麻痺で、麻痺が完全に回復しなかった場合には、微小な顔面の非対称性が起こるため、手術のような大きな治療では治しづらい、ということが起こりえます。
そのような場合、ヒアルロン酸の美容注射のテクニックを応用して顔面の非対称性を少なくすることが出来ます。
顔面の表情筋の骨膜側にヒアルロン酸注入を行うと、筋肉の動きをサポートすることが出来るので筋肉が挙上しやすくなります。
逆に表情筋の皮膚側にヒアルロン酸注入を行うと、筋肉に負荷をかけることになるので動きにくくなります。
つまり麻痺側の表情筋には筋肉の下に、健側の表情筋には筋肉の上に入れるのです。
美容用のヒアルロン酸注射は保険診療の適応にはならないため自費になりますが、当院ではブログやHP、発表などで写真を使用させていただくことを条件に、モニターとして無料で注射を行っています。
先着、数名程度を予定しています。
2018.09.10
新しいことに挑戦すること
新しいことに挑戦すること。
自分が眼形成の門を叩いた11年前、眼形成という言葉自体があまり世の中に浸透していませんでした。
いまでもそうですが、眼科のいくつもの専門分野の中で眼形成は1つの専門分野として対等に扱われていませんでした。
従って、若手の自分が一般眼科を捨てて眼形成を専門にしたい、と言ってみたところで
通常のステップアップから外れる行動を良いことだと思ってもらう風潮はなく
むしろ非常に風当たりが強かったことを思い出します。
若手のドクターに良く言う言葉があります。
「常識という思い込み」
その状況で常識と思われていることは、他の時代や他の国では常識では無いことが多いのです
常識というのは普遍的なものでなく、移り変わっていくものだと思います。
自分が国内留学する前は、群馬県内では眼窩骨折や顔面神経麻痺、眼窩骨折は不治の病でした。
でも浜松にはそれを治すドクターがいる。
それが国内留学を決心した理由でした。
そもそも医師の留学といえば、海外留学を指すのが常識です。
50年以上の歴史のある群馬大眼科に国内留学をした先達はいませんでした。
いろいろな反対を受けながら国内留学を経て群馬に戻った時に、すでに県内の技術・経験ともに飛びぬけた状態になって戻ることが出来ました。
常識にとらわれていたら、群馬県内でずっと一般眼科をやっていたことでしょう。
でも不治の病の一言で決着させる常識を、疑い、行動に移すことで新たな常識を作ることが出来ました。
海外の学会への参加も、ロサンゼルスへの臨床留学も、教科書の編集も、既存の常識と異なる事に取り組んできました。しかし、こういうものにこそむしろ価値があり意味があると、今となっては実感します。
若い人たちには、「常識という思い込み」にとらわれず、自由な発想で新しい分野を切り開いてもらいたいと思っています。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
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2018.09.08
ひとつのことにこだわるから出来ること
今回は少し変わった視点でのお話しです。
先日いらした患者さんに、また聞かれました。
「他の病院との治療法や入院期間が大きく異なるのは何故ですか?」
一般的には、眼窩の手術は眼球の後ろを扱ったり、頭蓋骨を扱ったりするため、1週間程度入院することがほとんどではないかと思います。
全国的にも日帰り全麻で眼窩の骨を操作している施設はないと思います。
ただ、世界的には一般的なのです。
それを導入しているだけです。
2007年~2009年の聖隷浜松病院への国内留学後、平均して年に4回程度、海外の学会に参加してきました。もちろん、毎回英語でのプレゼンテーションを行っています。
プレゼン自体も重要ですが、海外の学会の良いところは他の演者のプレゼンから国内の常識から外れた新知見をいっぱい吸収できることです。
何度も何度も海外の学会に参加しているうちに、留学の機会を得ることが出来ました。
2015年~2016年のロサンゼルス留学は、自分にとってとても大きな経験でした。
2002年に医師になりました。
どの若手医師も、たくさんの事を学びたいと思っています。
眼科であれば、水晶体、硝子体、緑内障、屈折矯正、斜視弱視、神経眼科、角膜など多岐にわたる専門分野がありそれぞれの勉強をしなければいけません。
全てをある程度出来るようになるためには、10年以上の時間がかかります。
自分の場合には4年目まではこれらの勉強を頑張りました。
国内学会で年間5回程度は発表していたので、かなり多く発表していた方であると思います。
ただ4年目の時点でそのような他の先生方も勉強している分野ではなく、他の先生が治すことが出来ない分野をやりたいと思い、聖隷浜松病院眼形成眼窩外科の門を叩きました。
この29歳の時点でいわゆる一般眼科を捨てた、ということになります。
それから11年、眼瞼・眼窩・涙道の眼形成分野のみに集中し勉強してきました。
現在41歳ですが、すでに10年以上のキャリアがあります。
より狭い分野に集中することで、その分野を深く掘り下げることが出来ます。
若い時点でそのような選択をしたことで、(比較的)若くてもすでにそれなりのキャリアを形成することが出来ます。
カウンターのある飲食店に行くことが好きなのですが
それは医者と板前さんはとても良く似ていると感じて
板前さんのプレゼンテーションが非常に勉強になるからです。
飲食店で例えるなら、ラーメンから鮨や天ぷらまで出す食堂よりも
ラーメンならラーメン、鮨なら鮨、天ぷらなら天ぷらに特化した方が、個々の味は良いというのは当たり前のことではないでしょうか?
若いころに眼形成外科に特化したのは、このような理由によります。
一般眼科は一般専門医レベルですが、眼形成領域では誰よりも経験してきたという自負があります。
だからこそ、当院での治療法は、他の施設と異なるのだと思います。
昨年度実績2000件(うち眼瞼下垂手術941件、眼窩減圧150件)
群馬大学 眼科 非常勤講師
帝京大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
アジア太平洋眼形成学会 理事
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