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子供の霰粒腫は無麻酔で手術する?
子供の霰粒腫は無麻酔で押さえつけて手術する?
霰粒腫って知っていますか?
めかご、とか、めばちこ、などと言われるものですね。
ばい菌が原因ではなく、生体内部の炎症によって出来る肉芽腫がその原因です。
治療は塗り薬が第一選択で、治りづらければ内容物の摘出が勧められます。
当院でも、ちょくちょくいらっしゃるのですが、大人の場合、来院当日に局所麻酔して切ってしまいます。
問題は小児(子供)です。
軟膏を塗るくらいならさせてくれますが、
局所麻酔して手術で切開するとなると泣き叫ぶのでほぼ不可能です。
先駆けて日帰り全身麻酔を導入していますので、小児の霰粒腫の紹介があったら麻酔科の医師に依頼して、
眠らせてしまってその間に切開してしまいます。
もちろん泣き叫ぶこともなく、そのまま順調に退院していきます。
痛みの記憶もありません。
米国留学で得た経験からこのようにしているのですね。
最近、とあるドクターが無麻酔で切ってしまえばよいという持論を展開しているのを見ました。
小児は記憶も残らないから大人3人で押さえつけて痛くて泣き叫んでも無麻酔で切ってしまう。
1分くらいで手術が終わるし、あとで聞いても憶えていないっていうのですね。
常に技術は進歩し、
より負担の少ない治療が可能に。
世の中は常に一定の方向に進みます。
技術は必ず進む方向に行くのですね。
白黒テレビからカラーテレビに変わり、いまはスマホでYoutubeを見る時代になりました。
医療も同様に、大きな切開から小切開に、
数週間の入院が必要な手術から、日帰り手術というように、技術はどんどん前に進み後退することはありません。
そういう大きな流れで考えると、無麻酔の手術ってどうなんだろうって思うのです。
子供だからといって憶えていないとしても強烈な反感を感じているはずなのです。
そういう行為って、例えば動物で例えるなら、虐待にあたるようなことに思える、無麻酔での手術なんて言ったら、動物なら動物愛護団体がほっとかないですよね。
たぶん医療技術は進歩し、日帰り全身麻酔が当たり前の時代が来ます。
当院であれば、受診から1週間以内に全身麻酔で眠らせた状態で切開することが出来ます。
例えると酔っぱらって寝ている状態で手術するのですね。
意識はありませんし、麻酔もきちんとするので術後もほとんど痛みは無いはず。虐待みたいなことはする必要がありません
必ず患者さんの苦痛を出来るだけ取り除く方向に時代は進むと思いますし、その方向に時代が進むのであれば、それがその方向だと分かっているのであれば、僕はその先取りをしていきたいと思っています。