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診療科ごとのモノサシ
診療科ごとのモノサシ
医師が専門とする診療科は多岐に渡ります。
内科、外科などのメジャー系で言えば
内分泌内科や循環器内科とか
消化器外科とか呼吸器外科とか細分化されています。
マイナー系で言えば
耳鼻科や形成外科、そして眼科などが挙げられます。
どの業界でもそうだと思うのですが
業界ごとにどっちがすごいかを測るモノサシが違います。
野球選手だったら
ホームランの数、ヒットの数
料理人なら
ミシュランの星や食べログの点数
芸能人なら
視聴率とかレギュラー本数でしょうか??
僕ら医者の世界、診療科ごとに世界が違います。
なので実は診療科ごとにモノサシも違うのです。
眼科医のモノサシは、、、、
手術時間の短さと、手術件数、そしてみんなに使える手技を開発したかどうかです。
眼科医が行う主な手術は、白内障手術です。
白内障にはみんながなりますから沢山の患者さんがいます。
白内障手術は、それほどバリエーションがあるわけではないので
同じような手技を沢山繰り返すことになります。
上手な術者はどんどん時間が短くなり、
3分くらいで手術完了しちゃうドクターもいます。
一方で何年たっても20分くらいかかっちゃう手先の器用ではないドクターもいます。
だから手術時間でそのドクターのレベルが知れるのです。
あともちろん、件数も大事。
いっぱい手術出来るということはそれだけ手術が早いということですからね。
もう一つ。
みんなで同じような手技をする眼科という業界では
みんなの手術スキルを上げるような器具を開発し、手技を開発すると
みんなから尊敬されます。
こういうのが眼科業界でのすごいドクターのモノサシです。
いっぽうで形成外科はどうか。
僕は形成外科医ではないので完全に理解しているわけでは無いのですが
友人知人の形成外科医が沢山いますので話を総合すると、
形成外科のモノサシは
どれだけ大きな手術をしたか、と、どれだけ稼いだか、だと思います。
形成外科医になるということは
身体中の手術をしたいと思って診療科を選んでいますから
手術をすること自体が大好きでないと選びません。
全診療科の中で唯一、専門とする臓器がないのが形成外科。
本当に全身の手術をするのです。
みんなが全身の手術をするのが当たり前な業界なので
優劣がなかなかつきません。
その結果として、他のドクターが出来ないような大きな手術をするドクターがエライというモノサシになるのです。
だからいろいろなところから組織を持ってきてまぶたに埋め込んだりします。
必要ないのに。
また形成外科のドクターのゴールは開業であることが多いです。
開業すると形成外科だけでなく自費診療の美容外科の看板も掲げます。
開業しない先生でも、大手の美容外科に勤めることが多いです。
つまり美容外科に行きつく方が結構います。
行きつかなくても、将来そうなるかもと思っている形成外科医はかなり多いと思われます。
美容外科の手技、実はそれほど複雑で難しいことはやりません。
習得が難しければ某大手美容外科のように一般化してたくさんの人に出来ないですからね。
二重瞼の埋没法なんか、元内科医・元精神科医なんかが転科してすぐやります。
簡単ですから。
そうなると、手技や件数でそれぞれを比べることが難しいので
売り上げや稼ぎで比べるしかないのです。
どれだけ患者さんが来て、手術して、売り上げているか。
そういうものがモノサシになっていると思います。
僕は眼科医なので、売り上げや年収に魅力を感じません。
最小限の侵襲・手術で最大の効果を、というのが眼科医たる自分の目標。
お金儲けのためにやってるんでしょ的な妬みを受けることもありますが
稼ぎは、次の展開に全部つぎ込んでよりよい社会を目指したいと思います。
2018年手術実績 3046件
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
http://www.oc-tokyo.com/
新前橋かしま眼科形成外科クリニック 前橋市古市町180-1
027-288-0224
http://www.kashima-oc.com/wp/
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